今回は神奈川県公立高校入学者選抜制度について記してみます。
「神奈川県公立高校入試はその制度がとても複雑で良くわからない」
と言う方が少なくありません。
それには、以下の2点のような理由があるようです。
①生徒一人ひとりの個性や能力などをいろいろな
面から評価して選抜していこうとしている。
②不登校などの特別な事情のある子どもについても
適正な選抜ができるよう配慮している。
できる限り簡潔に分かりやすくなるようポイントを絞ってして記してみます。
細かい情報については学校の先生と相談をするなどの機会で
確認していただければと思います。
まず始めに以下のことをちょっと抑えておいてください。
1 高校には通学や学習の方法によって3つのスタイル(課程)があります。
①全日制 ②定時制 ③通信制
の3つの課程があり、選抜方法が異なっています。
2 特色ある学校があります。
①クリエイティブスクール
学習意欲を高める「わかる授業」や「実体験からの学び」を推進するため
1クラス30人以下の展開などの新たな仕組みを導入
②フロンティアスクール
昼間の定時制の学校です。午前部と午後部に分かれ、1日約4時間の授業を
受けてゆっくりじっくり学びます。
※いろいろな学校や課程についての説明は前号のブログで説明させていただきました。
1.選抜方式
1.選抜は「共通選抜」と「定通分割選抜」の2つの方法があります。
2.選抜方法によって、それぞれの課程の定員に対する
募集人員の割合が異なっています。
3.どちらの選抜であっても 志願は一つの課程・学科・コースに
限ります。
「共通選抜」・・・すべての課程とも同じ日に行われます。
■全日制はこの「共通選抜」で定員の100%を募集します。
(合否判定については1次選考で募集人員の90%、2次選考で募集人員の10%となっています。
1次・2次選考の違いは調査書の評定を用いる(1次)か、用いない(2次)かによります。)
■定時制と通信制は定員の80%を募集します。
注意!:以下の定時制課程は「共通選抜」で定員の100%を募集します。
県立横浜明朋高校、
県立川崎高校、
県立厚木清南高校、
県立向陽館高校
横浜市立横浜総合高校及び川崎私立川崎高校
「定通分割選抜」・・・定時制と通信制の課程で行われます。
■定員の20%を募集します。
注意! 上記の6校の定時制課程では「共通選抜」で
100%募集してしまいますので
「定通分割選抜」は実施いたしません。
2.県立高校入試の検査内容
■検査内容
全日制課程・・・原則として5教科の
「学力検査」と「面接」があります。
特色検査(実技検査・自己表現検査等)がある場合は3教科に減らせます。
定時制課程・・・原則として国・数・英の3教科の
「学力検査」と「面接」があります。
※5教科のところもある。
通信制・・・・「作文」を実施
※「学力検査」と「面接」は実施しません。
3.選考方法について
実施したすべての検査と中学校から提出された調査書の
評定を用いて選考します。
不登校など長期欠席については
「資料の整わない者としての選考」があります。
次号ブログでご説明させていただきます。
1次選考 募集人員の90%まで選考します
①調査書の評定 [中2の評定] + [中3の評定×2]
②学力検査の結果 (3~5教科)
③面接の結果
④特色検査を実施した場合はその結果
上記①~④を各学校の定めた比率を掛け合計した合計点で決まります。
2次選考 募集人員の10%を選考します。 ※調査書の評定は用いません
①学力検査の結果 (3~5教科)
②面接の結果
③特色検査を実施した場合はその結果
上記①~③を各学校の定めた比率を掛け合計した合計点で決まります。
【クリエイティブスクール】
県立釜利谷高校、
県立田名高校、
県立横須賀南高校普通科、
県立大和東高校、
県立大井高校
実施したすべての検査と中学校から提出された調査書の
観点別学習状況を資料として総合的に選考
※資料の整わない者については、参考できる資料を活用して
適正に選考します。
【フロンティアスクール】
県立横浜明朋高校、
県立相模向陽館高校
実施したすべての検査を資料として総合的選考を実施します。
ただし、中学校から提出された調査書の観点別学習状況を
資料とすることがあります。
※資料の整わない者については、参考できる資料を活用して
適正に選考します。
【通信制の課程】
実施したすべての検査と中学校から提出された調査書を
資料として総合的選考を実施します。
※資料の整わない者については、参考できる資料を活用して
適正に選考します。