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不登校の子どもにとっての「フリースクール」とは④~不登校と発達特性~

子どもが不登校になる理由は人それぞれです。

よって不登校児童生徒の支援と言っても、

その方策はさまざまということになります。

今回は、その支援法の一つとして

「発達特性」※1をもった子どもたち

について記してみたいと思います。

※1. 本団体は、いわゆる「発達障害」のことを「発達特性」と表現しています。

 

不登校の子どもたちの中には、独特な個性(発達特性)を

もった子どもがある一定程度いるとされています。

ある教育機関の研究(※2)の中に

「不登校児童生徒の内、発達特性が考えられる

児童生徒の割合は32%」、

「発達特性のある小学生が不登校になる割合は、

発達障害がない小学生に比べて約7倍、

中学生では同じ条件の比較で約5倍」

との調査報告があります。

※2. 平成25年度愛知県総合教育センター研究紀要

この数字が、どれほど正確なものであるかは別として、

そのような子どもがある一定程度のいるということは、

フリースクールを運営している私たちも実感としてもっています。

もちろん、不登校=発達特性ということではありません。

しかし、不登校児童生徒の対応を考えた場合、

そのことを踏まえた上で、“環境”を創ることが

とても大切であると言えます。

不登校の状況にある子どもにとって

“安心できる環境”はとても大切です。

安心できる環境の中で過ごすことによって、

その子どもが本来持っているポジティブなエネルギーが出てきて

学校復帰や進学につながるケースがあります。しかし、

発達特性がある子どもは一概にそうとは言いにくい

ところがあります。

元気になったからと言って、その後のステップが

スムーズに行くかについては、少し話が違ってきます。

と言うのも、発達特性のある子どもの場合、

“安心できる環境”がとても個別的である場合

が少なくないからです。つまり、

その子どものもつ特性を

「理解しようとする人たちによる環境」

が大きなポイントとなると言えます。

例えば、発達特性のある子どもが、周囲の友達からからかわれたり、

いじられたり、時に怒られたりすることで、自信を失くして

学校から足が遠のくということがあったとします。

その子どもがある一定期間お休みして仮に元気になったとしても、

復帰やその先のステップとして行く場所が、

自分を理解してもらえる「環境」であるか否かが大きな鍵

になるということなのです。

また、同じように友達からからかわれたり、

いじられたりする環境であったなら、

同じことの繰り返しとなってしまうことも充分に考えられるのです。

また、そのような子どもの中には、

素晴らしい才能を秘めている子どもが数多くいます。

しかし、周囲の人との関わりの中で、

すっかり自信を失くしていることも少なくないのです。

ですから、「安心できる環境」と同時に、その子どもが

「自信をもてる取り組み」などがあることが

とても有効であると感じております。

具体的には、子どもが持つ“興味”や“関心”さらには

“得意とするもの”などを自由に表現してもらい、その“良さ”について、

周囲が共感したり、称賛したりなどを自然にし合えるような

環境が大事なのだと感じています。

これからの時代は「多様性の時代」と言われます。

多様な個性や価値観をお互いに認め合い協力し合って

生きていくことが求められているのです。

“互いに仲間の多様性を認め合える子どもたち”、

現在、そんな子どもたちをつくる「インクルーシブ教育」

が進みつつあると信じております。

そしてその先には、私たちがもっとも生きやすい

「共生社会」に繋がっていくのだと思います。そして、

そんな一翼を担える「フリースクール」でありたいと

私たちは考えております。