前回のブログでご報告いたしましたが、昨今、全国の県や市町の
教育委員会とフリースクール等の連携が
進みつつあります。
不登校の子どもを支援する民間団体・施設と
教育委員会が一堂に会し情報を共有できることは、
大変に良いことだと感じております。
以前には、そのような連携はとても考えられない時代がありました。
ひと昔前、“不登校”は、生徒指導上「問題行動」
とみなされていた時期がありました。
学校の行かない子=問題がある子、
という認識があったのです。
ですから、学校の先生方そして保護者も
「学校に行かなくてはダメ」という強い考えに囚われ、
何とか学校に行かせようと繰り返し繰り返し
「学校に行きなさい」
「学校以外の場に通うなんて認めない」
と子どもたちに強く当たってきた時代がありました。
結果、子どもたちを追い詰め、
あってはならない痛ましい事件がニュースにもなりました。
行政もいろいろな対応策を講じてきましたが、
不登校の子どもたちは一向に減ることはありませんでした。
平成9年には不登校児童生徒が全国で10万人を超え、
その後24年間、10万人を下回ることなく推移しています。
そんな中、2017年
「教育機会確保法」
という法律ができました。
これは、不登校の子どもたちに対して、
学校への登校を強制するのではなく、
社会自立に向けた成長が大切であるとの見解から、
「学校以外の場でも学べることの重要性」
「休むことの必要性」
を法律がその意義を定めたのです。とても大きな意味のあることです。
この法律によって、子どもや保護者が
「学校に行けない=悪いこと」
という責めを負う苦しみから解放されること
が期待されています。
また、我々フリースクールを運営する者にとっては、
この法律の成立は、
「子どもが安心する居場所」
「子どもが成長する場所」
として、より大きな責任が生まれたとも言えます。
子どもたちは「学校」という大きな集団で学べることが沢山あります。
ですから、フリースクールはむやみに不登校を助長するところで
あってはいけないと考えています。
学校に復帰を望む子どもには、しっかりとそのサポートを
していく必要があります。
しかし、その学校復帰だけを目的にするのでは
過去の繰り返しとなってしまいます。
ですから、それを望まない子どもにはその気持ちを尊重しつつ、
将来に向かっての「学び」をしっかりと創ってあげることが重要です。
今の時代、学校でなくても学べることが沢山あることも事実です。
不登校であっても、進学先や将来の職業などいろいろな可能性があるのです。
子どもたちは決して自分を責めたり悲観したりする必要などないのです。
大切なことは、すべての子どもたちが「笑顔で成長する」ことです。
多くの不登校の子どもたちと関わらせていただき、
これだけは言えます。
すべての子どもが心の奥では
「もっと笑顔になりたい」
「もっと成長したい」
と考えています。
その真実をしっかりと感じて、
子ども自らが育つ“種”を撒き育てたいと考えています。
それが、私たちフリースクールSeedsの使命です。