こんにちは!フリースクールSeedsの職員、伊藤です!
これまでのブログでも何度か話題にしてきましたが、
何らかの理由により学校から足が遠のきいてしまう
「不登校」の状況は、どの子どもにも起こり得る
という認識が広まってきています。ところで、この
「不登校」とは、いったいどのようなきっかけで
起こり得るのでしょうか。今回は、
不登校のきっかけについてお話ししたいと思います。
令和2年の文部科学省の調査によると、
不登校のきっかけ(最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ)は、
小学生・中学生でそれぞれ以下のようになっています。(数字は%)
小学生の不登校児童においては、
「先生のこと」が不登校の理由として最も高く、次いで
「身体の不調」「生活リズムの乱れ」となっています。
また、「自分でもよくわからない」という答えと、
「友達のこと」も高い割合にあります。
中学生の不登校生徒においては、
「身体の不調」が最も高く、次いで
「勉強がわからない」「先生のこと」「友達のこと」
となっています。
学校という大きな集団に身を置き、
がらりと環境が変わる場所での活動は、
小学生にとって大きな不安やストレスも
生じやすくなります。
また、「先生のこと」と同様に高い傾向にあった
「友達のこと」の点から考えると、
コミュニケーション面で悩んでいる子が多い
ということもわかります。
子どもたちを支える大人たちは、
そうした子どもたちの不安やストレスを敏感にキャッチし、
寄り添った支援をする必要があると言えます。
中学生においては、「身体の不調」が挙げられていますが、
この理由の背景に、発達段階における自律神経系の不安定さや、
ストレスをため込むことによる
「起立性調節障害」の可能性も考えられます。
(起立性調節障害については、別ブログでご紹介できればと思います)
不登校の児童生徒の30~40%は起立性調節障害
であるとも言われています。また、学習内容も小学校から
格段にレベルが上がるだけでなく、定期試験や高校受験という
大きなプレッシャーと常に向き合っていかなければ
いけない環境で学習していくというのも、
子どもたちの不安を増幅させていると考えられます。
加えて、小学生同様にコミュニケーション面での不安
もあり、さらに複雑な精神状態であるということが言えます。
こうした、子どもたちが抱えている不安やストレス、生きた声を、
大人たちはしっかりと受け止める必要があります。
また、これだけの不安を抱えた状態で不登校を選択した子どもに、
「どうして学校に行かないの!」
「学校に行きなさい!」
「勉強についていけなくなるよ!」
といった声掛けをするのは、
さらに不安を強くしてしまうことは明らかです。
不安をあおるような声掛けではなく、
不安に寄り添ったり、解消したりできるような声掛け
を心掛けることが重要ですね。
そして、子どもたちの不安解消のために、学校はもちろん、
公的な支援機関や、フリースクール等の民間施設、
医療施設など、様々な支援機関も有効に活用していく
ことも大切です。
その中で、子どもたち一人ひとりにとって
一番安心できる居場所や方法が見つかれば、
自然と子どもたちは元気を取り戻していきます。
不登校を一方的にネガティブに捉えるのではなく、
不登校をきっかけに自分を見つめ直すタイミングと
とらえられるといいですね。
以上、今回は不登校のきっかけについてのお話でした。